東京下町の密集した工場地帯。“ピカちゃん”と呼ばれる三原ひかるは三原医院の看護婦さん。養父・三原泰山医師と二人、下町の貧しい人たちの味方になっている。今日も健康診断のため、森田機械製作所を訪れたひかるは、若い工員たちの人気者。ひかると夜間高校で机を並べる木村勝利は、仲間に人一倍冷やかされゴキゲンだ。そこへ、ねじり鉢巻のいなせな運転手・岩下留次が助手の金造とトラックで乗りつけた。「気が荒えけどよ、いい人だぜ」と、まだ運転免許のない金造は得意そうに新入りの留次を紹介した。その留次は、診断を終えたひかるとぶつかると、思わず「いい女だなあ！」と唸った。留次をにらむ勝利のしぶい顔….。夕焼けがたなびくころ、勝利は長屋の路地にある我が家に帰る。他の女と同棲している父親は、めったに家に帰らない。その夜、定時制高校の帰り道、肩を並べて歩くひかるに「オレは一流会社で、スカッとしたサラリーマンになるんだ！」と、勝利のいつもの口ぐせが始まった。そんな勝利にひかるは「幸せってもっと身近にあると思うんだ」と語る。ある日、留次はひかるをデート誘ったが見事に振られた。勝利との先約があったのだ。折も折、留次の母親が見合い写真をゴッソリ持って上京して来た。 だが留次は、ひかるに夢中。三拝九拝して、母親の東京見物をひかるに頼んだ。すっかり留次の恋人と早合点してゴキゲンな母親の誤解を解き、翌日、田舎に帰る母親をつきそう留次を送ったことから、今度は勝利が二人の仲を誤解。その上、念願の一流会社の受験にも失敗した。悲観して仕事を休んだ勝利をひかるは外へ連れ出し励ますが、勝利の表情は暗い。そこへ通りかかり、二人の話を聞いていたという留次に、ひかるはカツを入れるよう頼み、留次と勝利の激しいパンチの応酬がはじまった。そのとき、父親が車にはねられたと弟が知らせにやってきて…。

監督
野村孝

キャスト
岩下留次＝橋幸夫（ビクター）　木村勝利＝浜田光夫　松本秋子＝松原智恵子　三原ひかる＝吉永小百合

 

製作国：日本
製作年：1962年
公開年月日：1963/1/11
時間：カラー／89分／シネマスコープ・サイズ

 

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